20分 4人台本 男:3 女:1 作:メイロー
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Selection Time
著:メイロー
登場人物
行正先生……男。学年主任 科目:社会 3年A組。うだつが上がらない
荻江先生……男。科目:体育 3年B組。熱血かつ、後輩に厳しい。上野先生が好き
藤堂先生……男。科目:数学 3年C組。チャラい。Vtuberを最近始めた
上野先生……女。科目:国語 3年D組。八方美人
・オンラインでの会議。来年度のクラス分けについての議題が舞台 場面転換のない所謂、密室劇な感じです。オンライン演劇向け。
荻江『来ねーなー!』
行正『5分前どころか遅刻だね』
荻江『生徒に示しつかないってーの』
行正『(溜息)電話してみるね』
荻江『あ、お願いしまーー』
藤堂『遅れました!!』
行正・荻江『は?(え?とか)』
藤堂『あれ? 声聞こえてないっすか? あーあー!』
荻江『聞こえてるよ! おっせーよてめー!』
藤堂『(悪びれず)さーっせんっす! アプリ立ち上げるの手間取っちゃって』
荻江『教師が遅刻してたら示しつかねーだろ! 今年は修学旅行もあるんだ。時間厳守が――』
行正『いい、いい。それより、藤堂先生、何?それ』
藤堂『あ、これっすか? いやー、これ見せたくてセッティングしてたんすけど、まだ始めたばっかりで戸惑っちゃって』
行正『いや、だから、何なの?』
藤堂『Vtuberっすよ! 始めたんです。あ、もちろん副業じゃないっすよ! まだ収益化通ってないんで! あはは!』
行正『あの、えっと、ごめん、よくわからないんだけど。荻江君わかる?』
荻江『簡単に言えば、youtuberの一つですね。顔映す代わりに絵を画面に映すyoutuberです』
行正『へー……』
藤堂『荻江先生、一ついいっすか?』
荻江『なんだ?』
藤堂『顔の代わりに絵じゃないっす。これが顔なんすよ!』
荻江『じゃあ、いつものお前の顔は何なんだよ』
藤堂『あれは藤堂で、今はバーチャルお兄ちゃん藤堂エミルなんです!』
荻江『そうか、じゃあ、お前は帰れ!』
藤堂の回線が切れる
行正『……僕はね、最近の若い子のことがわからないよ』
荻江『あいつがおかしいだけですね』
藤堂『今切ったよね? ひどくね!?』
荻江『てめー、わかってねぇのか? いいから、その絵をさっさと戻せって言ってんだよ!』
上野『遅れてすみませんー、寝坊しちゃって。。。』
行正『え、ああ。えっと、』
藤堂『桃ちゃん先生?』
上野『あ、はい。あ、すみません! これじゃわからないですよね。あの、すっぴんで、お化粧している暇もなくて、どうしようかなって思ってたら、今こんな機能あるんですね! なんだか、かわいい女の子になったみたいでうれしいです。』
荻江『あ、そうなんですねー。上野先生のお部屋見れるかと楽しみにしてたのにー』
上野『残念でしたー』
荻江『次は早起きお願いしますね』
上野『部屋は見せないですよ?』
藤堂『つーか、桃ちゃん先生もやってるんすね』
上野『あの、桃ちゃん先生はやめてください。って言ってますよね?』
藤堂『あ、さーせん、つい。で、今度コラボどうっすか?』
上野『コラボ? コラボって何で――(すか?)』
行正『あの! (溜息)……もういいです。そのままでいいので、始めましょう』
各自『返事』
行正『では、まずね、皆さん会議が遅くなってしまってすみません。本当は顔を合わせてやりたかったんですけどね、こういう情勢だから、テレビ会議でやることにしました。とりあえず例年通り学期末の成績から振り分けた資料を荻江先生に作っていただいたので。荻江先生、送ってもらっていいですか?』
荻江『あれ? 昨日サーバーに上げましたよ? ライン行ってると思いますけど』
行正『あ、あれがそうなの?』
藤堂『俺はもう確認したっすよ』
行正『これ、でも、リンククリックしても、何も出てこないけど』
上野『パスワード入れればダウンロードできますよ』
行正『あ、そうなんだ。あ、えっとごめん、パスワードなんだっけ?』
藤堂『知らないっすよ! みんなそれぞれ違うんすから』
行正『そうだよね。しまったな、付箋学校の引き出しに入れっぱなしだから』
荻江『あの、今、もう一度送りました』
行正『あ、悪いね。どこ?』
荻江『チャット欄にあると思うんでクリックしてください』
行正『チャット欄……』
上野『右下の吹き出しみたいなアイコンをクリックすると出てきますよ』
行正『えっと、あ、これかな……』
各自『……』
行正『あ、はい、できました。すみません』
荻江『とりあえず、期末テストの結果を反映させただけだから、ここから各クラスのバランスを取らなきゃいけない』
行正『そうだね。何か問題があるか、ありそうな組み合わせあるかな?』
上野『あの、D組なんですけど高木君と五十嵐くんが一緒というのは――』
藤堂『あー、そりゃきついっすね。あいつらすーぐ調子に乗るから』
荻江『じゃあ、五十嵐をC組にするか』
藤堂『ちょ、ちょっと待ってくださいよ! こっちには柳がいるんすよ。五十嵐との仲の悪さ尋常じゃないっすよ? 暴力沙汰の処理なんてマジ勘弁っすよ!』
行正『じゃあ、高木君を動かす?』
荻江『それもちょっと……村岡と高木って付き合ってたよな?』
上野『え!? そうなんですか!? うわー、気が付かなかったです。へー、そうなんだー』
藤堂『付き合ってるとなんかまずいんすか? 喧嘩されるよりよっぽどいいんすけど』
荻江『お前がいいならそれでもいいけど、ちゃんとフォローしろよ』
藤堂『何の?』
荻江『別れた時のフォロー。特にあの二人は村岡が高木にべったりだからな。もしわかれたりしたら、村岡のフォローが大変だぞ』
藤堂『それこそ青春じゃないっすか! そうやって人間ができていくんすよ』
行正『昔、自殺未遂起こした子がいてね』
藤堂『(納得して)あ、そうっすか』
荻江『村岡ならそこまではしないと思うが、一応な』
行正『そうだね』
荻江『それより俺は、妊娠騒ぎのほうが心配だ』
上野『ええ!? 妊娠って、中学生ですよ!!』
藤堂『(上野と同時に)ああー、それは面倒そう。じゃあ、荻江先生のとこで五十嵐、引き取ってくださいよー』
荻江『俺のところはすでに原口と鎌田がいるんだぞ?』
藤堂『じゃあ、行正先生』
行正『え? 僕?』
上野『藤堂先生!』
藤堂『あ、やべ』
荻江『あ、大丈夫です。それはないですから』
行正『いや、そうだね。僕のクラスに五十嵐くんが来れば大丈夫だね』
上野『私のクラスで行きましょう! 五十嵐くんも高木くんも私にはなぜか優しいから』
行正『いやでも』
上野『大丈夫です。それにほら、行正先生のところには森下君がいるじゃないですか。彼が学校に復帰してくれた時に、五十嵐君たちがいたらまた不登校になっちゃうかもしれないし』
行正『そっか、そうだよね。ごめんね。去年僕がもうちょっと五十嵐君とうまくやっていればよかったんだけど』
荻江『あれは先生のせいじゃないです。俺だって五十嵐には手を焼いてんだから』
藤堂『あ、やっぱそうなんすね。荻江先生も五十嵐引き取りたくなかったから』
荻江『違う! 俺は上野先生の指導力の高さを見込んで、あの、上野先生本当なんです。決して押し付けたわけじゃなくて、俺たちの中だと一番上野先生が上手く五十嵐とやっていけるなと。すごいなと。ほんと、尊敬してて!あの』
上野『大丈夫です。五十嵐君も高木君も根はいい子なんですよ。任せてください』
藤堂『さすが桃ちゃん先生! たよりになるー!』
上野『やめてくださいってば!』
藤堂『へーい』
行正『では、五十嵐君たちはこのままD組ということで。上野先生、お願いしますね』
上野『はい』
行正『他にはどうでしょう?』
藤堂『あのー、池田さんのことなんですけど……』
上野『池田さん? 香ちゃんのことですか?』
藤堂『そうそう。まだ確定って感じじゃないんすけど、ちょっと不穏な感じあって』
上野『香ちゃん、いい子ですよね?勉強もできるし』
藤堂『そうなんすけど、俺も2年連続で預かってるし、マジ手が掛からないし楽なんすけど、いや、まだ確定ってわけじゃないんすけど』
荻江『いいから早く言えよ』
藤堂『両親が離婚したみたいなんすよね。で、その影響かわかんないんすけど、春休み入ってすぐにお母さんから電話きて、通知書に納得がいかないと』
行正『今までもあったの?』
藤堂『いえ、初めてっす』
行正『すぐ納得してくれた?』
藤堂『全然ダメ。どうしても公立受からなきゃいけないって。離婚してお金がないって泣きながら訴えられて』
上野『それは、きついですね。。。』
藤堂『そうなんすよー。だから、受験に関係するのは3年1学期と2学期だから、まだ大丈夫ですって伝えたんっす』
荻江『だといってもなぁ。だれが担任になっても同じだからなぁ。お前、モンペ扱うの初めてだろ?』
藤堂『ういっす』
荻江『今のうちに慣れておいたほうがいいぞ』
藤堂『いや、それが、ダメなんすよ。俺じゃ』
行正『どういうこと?』
藤堂『じゃあ、1学期と2学期は配慮お願いしますね?って言われて【僕が担任になったら任せてください】って言っちゃったから』
荻江『おまえなぁ!』
藤堂『担任にならなきゃいいかなって!』
行正『藤堂くん、OKを出すことがそもそもダメなんだよ。それに、あの先生はOK出してくれたのに! なんて次の先生が言われてしまうでしょう?』
上野『それはやりづらいですね』
行正『藤堂君が引き続き担任をして、断固たる姿勢で公平に扱うしかないんじゃないかな?』
藤堂『そんなー。無理っすよ。俺、正直がモットーなんで嘘はつけないっす』
荻江『じゃあ、正直に成績つけろよ』
藤堂『それじゃあ、約束したのがウソになっちゃうじゃないっすか!!』
荻江『じゃあ、嘘の成績つけろよ』
藤堂『あ、そか』
上野『どっちにしろ噓つくしかないんですね』
藤堂『マジかよ。最悪だ。何とかしてくださいよー!』
荻江『自業自得だろ』
藤堂『行正先生!』
行正『藤堂先生が対応するのが一番こんがらからないと思うんだけどね』
藤堂『そこをなんとか!』
行正『うーん』
上野『あの、私引き取りましょうか?』
藤堂『え? マジ!? チョー助かる!!』
荻江『上野先生、こんな奴のためにそこまでする必要ないですよ。』
藤堂『ちょっと! 』
上野『いえ、香ちゃん、あ、えっと池田さん自身はとってもいい子ですし、要は成績が上がればいいんですよね?』
藤堂『まあ、そうっすけど』
上野『池田さんの志望校って錦糸高校ですよね? 苦手な国語を伸ばしてあげれば多分大丈夫じゃないかなって。私が担任なら教えてあげる時間も取れるだろうし。』
行正『詳しいですね』
上野『池田さん、バトミントン部なんですよ』
荻江『さすがですね。部活の指導だけじゃなくて学業まで把握して指導しているなんてさすが上野先生だ』
上野『そんなことないですよ。ただ、合間のおしゃべりで知っているだけで』
荻江『それだけ信頼されてるってことですね!』
藤堂『助かったー。じゃあ、お願いしてもいいすか?』
上野『はい。大丈夫です』
行正『では、池田さんはD組に移動ってことで。他にありますか?』
荻江『あ、一ついいですか?』
行正『はい』
荻江『矢口はC組がいいと思うんですよ』
藤堂『うちっすか? なんで!』
荻江『数学が一番まずいだろあいつ。見てやれよ』
藤堂『それは違うっす。あいつ全教科だめっすね』
荻江『じゃあ、なおさらだ。数学鍛えてやれば全部伸びるだろ』
藤堂『いみわかんねーっすよ! 荻江先生が根性叩き直してやれば学力も上がるんじゃない?』
荻江『体育は受験かんけーねーよ』
藤堂『内申点は上がるし! 根性が一番大事だっていつも言ってるじゃないっすか』
行正『でも数学を伸ばすのはいいかもね。論理的思考が伸びればおのずと他の強化も伸びてくるだろうし』
藤堂『えー、論理的思考が国語や社会に必要なんすか?』
上野『国語は必要ですよ。といいますか、どちらかといえばそれがすべてかもしれないですね』
藤堂『え?そうなの? 文系って感性でしょ?』
上野『感性は芸術の分野な気がします。受験の国語って結局理論で全部説明できちゃいますからね。じゃなきゃ採点できないですし』
藤堂『へー。じゃあ、社会は?』
上野『え? どうなんですかね』
行正『社会は、暗記の側面が強いかもしれませんね』
藤堂『ですよね!じゃあ、暗記が一番の近道ってことで、行正先生お願いしますよ!』
荻江『そうじゃねーだろ。全体的に伸ばしてやんなきゃいけないんだよ。あいつマジで高校どこも受からねーぞ』
藤堂『だからってなんで俺なんすか! 全教科だめなら、荻江先生が全教科教えてくださいよ!』
荻江『俺は体育専門だから』
藤堂『んだそれ! 俺だって数学専門っすよ!』
荻江『だから、それでいいんだって! 数学だけ教えてあげれば他もガンガン上がって』
藤堂『んなわけないでしょ! どうせ、進学率上げたいだけじゃないっすか!』
荻江『はあ!? そんなわけ』
上野『あの!! ……私、矢口君引き取りましょうか?』
行正『いいの? あのこ、結構大変だよ? 』
上野『大変って言ってもそれは勉強だけだし、大人しいし良い子ですよ。論理的思考が全科目に影響するかはわかりませんが、国語はどの教科にも必要な科目ですし。池田さんと一緒に時間取ってあげればいいかなって』
荻江『おお!さすが上野先生! お前も見習え』
藤堂『なんで俺なんすか。押し付けたのは荻江先生でしょ?』
荻江『ああ?』
上野『大丈夫ですから。それより他には何かありますか?』
行正『あ、とても言いづらいのだけど僕もいいかな?』
上野『はい、どうぞ』
行正『さっきはなしに出た森下君のことなんだけど』
藤堂『なんかあったんすか?』
行正『いや、何もないんだよ。それが問題なんだけどね』
荻江『もう学校にこなくなってから半年近くですよね?』
行正『そうなんだよね。でも僕も学年主任の仕事だったりと忙しくて中々様子を見に行けなくてね』
藤堂『いじめっすよね? それこそ荻江先生の出番じゃないっすか? 根性つけてやれば』
荻江『そういう問題じゃねーだろ』
藤堂『わかってますよ。冗談です』
上野『あの、森下君の家って住吉のほうですよね?』
行正『そうだけど』
上野『じゃあ、私帰り道によれるし、私のクラスに――』
荻江『上野先生、大丈夫ですか?さっきからみんな引き受けて。上野先生が優しいのも熱心なのも知っていますが、無理はいけませんよ』
藤堂『さっき、押し付けたくせに』
荻江『藤堂なんか言ったか?』
藤堂『いいえ』
上野『大丈夫です。無理なんかしてませんよ。それに放っておけないんですよね。私も昔経験があるから』
荻江『上野先生をいじめていたやつがいるんですか? 最低だなそいつ!』
上野『いじめはどこにでもありますよ。だから寄り添ってあげたいんです』
行正『わかりました。では、森下君のことよろしくお願いします。他にありますか?』
荻江『俺は大丈夫です』
藤堂『俺もokっす』
上野『はい。大丈夫です』
行正『じゃあ、動いたのは……(可能であれば、手書き資料1を見せる)池田さんと矢口君と森下君の三人ですね。これで間違いないですかね?』
各自『はい』
行正『では、代わりにD組から3人ですね。どうしますかね』
上野『あ、五十嵐君のことなんですけど、荻江先生のクラスにお願いできますか? 森下君もいますから、同じクラスというのも問題かなって』
荻江『もちろん!って言いたいのですが、さっきも言ったように原口と鎌田がすでにいますから。問題児3人まとめちゃうといくら俺でも手が足りないといいますか』
上野『ええ、だから、原口君を行正先生のところにして、五十嵐君をお願いできないかなって。原口君は問題児というより、誰かについて回っちゃう子だと思うんです。行正先生のところだったら、暴れるような子もいないし、きっと原口君も大人しくなると思うんですよね』
荻江『たしかに、まあ、俺は大丈夫ですよ! 上野先生のためなら一肌でも二肌でも脱ぎますよ! 全部脱いだっていいです!』
上野『はは。ありがとうございます』
行正『ではそうしましょう。あと二人どうします?』
上野『鈴木さんと鈴原さんをお願いできますか?』
荻江『ああ、あいつら仲いいですもんね。やっぱ二人セットのほうがいいですよね』
藤堂『ズットモらしいっすからね。じゃあ、俺、荻江先生のとこから鎌田もらいますよ』
荻江『お前、鎌田だって十分面倒だからな?』
藤堂『五十嵐よりましっすからね』
荻江『まあ、いいや。一人問題児が減るだけましだな。でも本当にいいんですか? 鈴木も鈴原も優等生じゃないですか』
上野『ええ、大丈夫です』
行正『じゃあ、えっと、こんな感じで(手書き資料2見せる)鈴木さんと鈴原さんが荻江先生のB組に。鎌田君が藤堂先生のC組に行くということでいいですか?』
各自『返事』
行正『何とか決まりましたね。』
荻江『今年はずいぶん早く決まりましたね!』
藤堂『上野先生が引き受けてくれたからっすね。』
行正『確かに。ありがとうございます。上野先生』
上野『いえいえ、大丈夫です』
荻江『お前も見習えよ』
藤堂『……あ、俺っすか?』
荻江『他に誰がいるんだよ! すみませんね、上野先生。ほんと助かりました』
上野『いえいえ、大丈夫です』
荻江『今度お礼させてください。美味しいイタリアン見つけたんですよ。今度どうです?』
上野『いえいえ、ほんと、大丈夫ですから』
行正『じゃあ、今日はこの辺にしますか。予定通り始業式ができるかはまだわかりませんが、準備だけはお願いします』
各自『返事』
行正『では、これで終わりますね。ありがとうございました』
各自『お礼』
行正・荻江 退出
藤堂『あの、桃ちゃん先生』
上野『はい?』
藤堂『鈴木、鈴原コンビって、なんかまずいんすか?』
上野『え? え? 何でですか?』
藤堂『いや、桃ちゃん先生が、何の魂胆もなく出すはずないかなーって』
上野『ひどいですよ!! もー! でも、正直あたりです。あの二人、五十嵐君取り合ってるっぽいんですよ』
藤堂『うわ……まじっすか』
上野『ズットモの崩壊が一番厄介だと思うんです。下手すればクラス真っ二つですよ。あの二人結構リーダーシップありますし』
藤堂『想像したくないっすね。逃げといてよかったわー。でも、荻江先生大変なのひいちゃったな―。学年一問題児の五十嵐に、それを狙う鈴コンビ。かなりエグくね?』
上野『清々するけど』
藤堂『え?』
上野『え?』
藤堂『あの、Vtuber知ってます?』
上野『ぶいちゅーばーですか?』
藤堂『多分っすけど、めっちゃあってると思うんすわ桃ちゃん先生。今、腹黒キャラ人気なんすよ』
上野『どういう意味ですか! もー!! 私配信の準備がありますので落ちますね。じゃ!』
藤堂『えっ!? ……え?』
end